「エジプト占星術①」

今月から数回にわたってエジプト占星術について書いてみたいと思います。エジプトと聞いただけで私たちはすぐにスフィンクスやピラミッドを思い浮かべます。行ったことのない人の希望旅行先の中でもいつも上位を占めています。1960年代にナイル川にアスワンダムが出来るまでナイル川は毎年洪水を繰り返し、新しい息吹、新しい栄養素をナイルデルタに運び込みました。エジプト占星術はだから農業の季節の変動が基礎になっています。その中でも最も重要なテーマが洪水の予測でした。洪水はだいたいSinusが東の空に太陽とほぼ同時に現れるときに起こりオリオン座が影響を与えていました。そうやってエジプト人は神々を観測によって作り出し、その上で生まれながらに人間の運命―行動、力、技術、感情、運気―はその人をコントロールする神が左右しているという結論に辿り着いたのです。 

初期のころのエジプト占星術は太陽に焦点が置かれそのサイクルを研究していった結果年間のサイクルを12ヶ月に分けその1ヶ月は10日ずつ3つの期間(デカン)に区分けしたのでした。エジプト占星術は12のサインに分けられそれぞれ統括する男女の神々の名前を冠しています。その神々の名前と意味合いを少しずつご紹介しましょう。

 

Hapi(ハピ;またの名ナイル)1月1~7日、9月1~7日、11月18~26日生まれ。ナイル川は動脈のように周りの地に栄養を与え、ここからパピルスや儀式に必要な草花が採取され文明が築かれて行きます。このサインの下に生まれたあなたは平和主義者、細部まで計算された静かな主義主張を持ち人生を豊かにするチョイスに囲まれています。「ナイル人間」は賢く、我慢強く、母のような豊かな優しさを持ち目覚めようとあがいている人たちを助けます。ナイル川が洪水を繰り返したようにこの生まれの人たちはムードチェンジが激しいでしょう。

Amon Ra(アモン・ラー)1月8~21日、2月1~11日生まれ。ラーはエジプト神のリーダーで創造主。この生まれの人たちは寛容で進む道の確かでない人たちにインスピレーションと勇気を与えていく指導の位置にあります。ラーを冠して生まれた人たちはそれが財産でもあり、チャレンジでもあります。目標が高いためにそれに添った生活が出来ないとなると自己不審に陥ることもあるでしょうが、元々は強い意思と図抜けた勇気と自信に満ち溢れています。リーダーとしての逸材ですが目標が達成できないときには頑固さとイライラが出るでしょう。

Mut(マット)1月22~31日、9月8~22日生まれ。マットはエジプト神の中でも古い女性神として恐れられています。ナイルの水とヌビアン砂漠がシンボルでこのサインのもとに生まれた人たちは感情的で秘密主義、シャイであるだけにそのイライラを隠し持っていて皮肉っぽいでしょう。ですがその深い知性はすべての人間関係をサポートし人々に限りない希望を与え、権限のある主的父親的人柄を保護し支えて行きます。 (次回に続く)

クリスタル

 

占い暦40年以上、

オーストラリア・シドニー在住の日本人カウンセラー

 

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