「五感の重要性」

五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)の重要性を証明する実験があります。被実験者に、完全防音した部屋で、アイマスクをつけさせ、触覚が鈍るような服装をしてもらい、何もしないでじっとしているように命じます。暫くすると、被実験者は、極度の不安と幻覚に襲われるようになるのだそうです。視覚は眼から入った光線が網膜の細胞を刺激する事で生じる感覚、味覚は口から入った食物が味蕾(みらい)を刺激される事で起る感覚、触覚は皮膚が刺激される事で生じ、聴覚は耳から入った音波が鼓膜から蝸牛(かぎゅう)を刺激する事で生じ、嗅覚は匂いが嗅細胞を刺激することで生じます。例えば、レストランに入ったとして、まずあなたは、眼で見た(視覚)料理から、説明された(聴覚)メニューで食べ物を想像し、出来上がったメニューの匂いを嗅ぎ(嗅覚)、フォークやナイフ、お箸で掴んだ感覚(触覚)で食事を確かめ、料理を食べて(味覚)味わっています。こういう風に、私たちは、常に五感すべてで物を感じているのです。

 

目の前に赤いりんごがあります。このりんごを「赤い」と感じたり、「ずっしりと重そうだ」と感じるのは「感覚」です。過去の経験から得た情報を総合的に組み合わせ、「ずっとりと重そうな赤いりんごだ」と判断することを「知覚」と呼びます。その上に、記憶や推理などの思考過程を含んだもの=例えば、りんごの種類、特徴、イメージ、料理方法等=が「認知」と呼ばれます。知覚は欲求のレベルに影響される実験として、米心理学者のグッドマンとブルーナーは、裕福な家庭に育った知的レベルが同程度の10歳児を集め、1,5,10,25,50¢のコインを見せ、同じ大きさの円を描かせる実験をしました。貧困家庭の子供は全てのコインを実際のサイズより大きく描き、裕福な家庭の子供はほぼ同サイズで書いたそうです。貧しい家庭に育った子供にはお金に対する欲求が強いから・・という結論に達したそうです。

 

万有引力で知られるニュートンは色彩の科学的研究の基礎も作りました。彼はプリズムを使って太陽光を虹の7原色に分け、7色を集めれば白色光に戻る「昆色」の法則を発見。文豪ゲーテはニュートンの理論に反発して、全ての色は白と黒の対立で表されるという「色彩論」を著し、黄色と青を対立する性質を持つ色と主張、黄色は明るく、強く、熱く、青は暗く、弱く、冷たいとしました。色と感情との関係に初めて注目し現在の色彩心理学への先駆者がゲーテと言えますね。五感の特徴としては、情報の8割は視覚からで、聴覚はあらゆる方角からの残りの情報を捉え、触覚には「圧覚」、「痛覚」、「温度感覚」が、味覚には4種類(甘い、苦い、塩っぱい、酸っぱい)ですが、記憶との関連が深いと分かり、匂いが精神に与える影響もかなりな部分が解明されるようになり、アロマテラピー等が精神病等の治療をはじめ色々な場面で有効に使われているのはご承知の通り。匂いを感じる嗅細胞は約5000万個、一般人で2000種類の匂いを嗅ぎ分け、調香師は1万種類を区別できるそうです。五感のバランスがいかに大事なのかをたまには立ち止まって考えてみませんか?

 

クリスタル

 

占い暦40年以上、

オーストラリア・シドニー在住の日本人カウンセラー

 

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