「虹」

先月は虹のお話をしましょう。まず科学的に・・・虹ってどうして出来るんでしょう? 虹は太陽の光が空気中の水蒸気の小さな水滴に屈折、反射して眼に届くんですね。水滴がプリズムの役割をして光を分けるから七色の綺麗な色が見えるわけ。なぜ光が分かれるかと言うと虹の7色はそれぞれ波長が違っていて水滴で屈折する際、波長によって屈折する方向が微妙に違うからです。波長が長いと大きく屈折し、波長が短いと小さく屈折するわけです。じゃあ何故虹は常に見えないのでしょう?それは太陽からの光と反射する水滴とそれを見る人の角度が一定の角度(40~42度)でないと見えないからなのだそうです。それでは何故半円しか見えないのでしょう?それは虹の円の下側は地面より下になってしまうからで、飛行機からの高い位置からは円形状の虹が見られると言います。

 

太陽の光をプリズムに当てると光の帯が出来ることを発見したのはニュートンで1668年のことでした。ニュートンはそれを「スペクトラム」と名づけたのです。さて・・・人間の眼に見える光=可視光線は380nm~780nm(ナノメートル=10-9「マイナス9乗」)。7色のそれぞれの色は波長もそれぞれ違い、お星様の色が違って見えるのは光の波長の分布が星の表面温度によって異なるからで、オリオン座の3つ星は青く、シリウスとベガは青白く、北極星は真っ白、太陽とカペラは黄色、アンタレス、ベテルギウスは赤く見えます。

 

それでは虹にまつわる伝説を見てみましょう。ギリシャ神話では虹はIris(アイリス、イリス)と言う女神、オーストラリアでは虹は天地に住み水を人々に恵んでくれる「神の蛇」とみなされ、北欧伝説では虹は「天上の神界に通じる橋=Bifrost(ビフロスト)」と呼ばれていたようです。 ブリヤード人のシャーマニズムでは虹は「魂が天に昇っていく道」だと信じられており、日本神話ではイザナギとイザナミが「虹を渡って人間界に降りてきた」と言われ、ガボン南部では「人類の祖先は虹を渡って来た」という伝説があり、インドでは虹は「インドラ神が雷の矢を放つための弓」、旧約聖書では、ノアの大洪水によって世界が滅亡した後に虹が現れたとの記述から虹は「神の存在の証」であるとみなされました。中米のスム人の間では虹そのものが不吉のしるしと思われているし、古代スラブ(ロシアの地方)では虹に触れると天に引き上げられてしまい、べノム神の力で体が変化して地上に戻れなくなると信じられていました。このように色んな伝説に繋がる「虹」は、見ただけで息を呑む美しい自然現象で、どの国でも虹を見たら「良い事が起きる・ラッキー」と信じられています。

クリスタル

 

占い暦40年以上、

オーストラリア・シドニー在住の日本人カウンセラー

 

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