「言霊(ことだま)①」

今月は「言霊=ことだま」についてお話していきましょう。古来からわが国では「言=事」と考えられ、「良き言の葉は良きものを招き、悪き言の葉は災いを招く」と言った概念がありました。そういった言霊の概念は日本では「祝詞(のりと)」に込められ、東洋では「経文」、西洋では「聖書」と言った類のものに伝えられて行きました。元々が神霊のエネルギーと相通じることを目的としたのです。いまだに言霊は多くの日本人が信じています。たとえば、明日、結婚式、卒業式、お祝い事の準備で盛り上がっている時に、誰かが「明日は雨が降るだろう」と言ったとします。そして、明日土砂降りになったとしたら?「おまえがあんなことを言ったから雨になったんだ」と冗談とも本気とも取れる非難をする人が出てきますね。実際は「雨が降るだろう」と言ったことと、自然現象として雨が降ったこととの間には全く何の因果関係もないのに、我々の心の中には「縁起でもないことを言ったから現実になった」と思ってしまうのです。

 

ところがこれが国家的なレベルで、「言霊」信仰が加わると理性的かつ合理的な判断をも2の次にしてしまう事態が起きてきます。 アメリカと戦争を始める前に、勝ち目の無い結果を予測していた指導者の数は一人や二人にとどまらなかったのに関わらず「戦争に負ける」などということを口にするとそれだけで「敗戦」という事態を招きかねないと考えられ、そういう意見一切は非国民と思われるという思惑とともに抹殺されました。そして戦後の日本は一転「平和主義国家」になります。湾岸戦争で世界中が開戦必至を訴えていたのに、日本のマスコミだけがその状況を伝えず、ひたすら平和解決を訴えていたのも、冷静に現実を見つめず「必勝」をひたすら連呼していた戦争中の国家指導者達の行動原理と同じで、言葉にすることを恐れる「念仏平和主義」になっていったのです。

 

どこかの国に攻められないように国を守る軍隊を持ち、憲法に規定された軍隊は永世中立国のスイスにすらあります。むしろ自前のしっかりした軍隊があるからこそ永世中立を掲げる事が出来るのに、日本だけは軍隊があると戦争を呼ぶんじゃないか、だから無い方が良いのだ、でも無いのも不安だから「自衛隊」は置く。こういうごまかしの2重構造の上に成り立ってます。言葉の上だけでも打ち消しておけば安心出来るというわけです。雨が降るといえば雨が降る世界では、日本に軍隊はありません!と言えばそれでいい。実際には軍隊じゃないかと言う人があっても。言霊を正しくきちんと理解しない限り、分けもわからず振り回される状態はこれからも続いていくでしょう。

 

基本に戻って、言霊とは言葉に宿ると信じられている霊的な力のこと。実際にはこういう実験もあります。波動を受けやすい「水」を使っての実験ですが、「感謝・愛」と言う言葉を見せたときの結晶は美しい六角形になり、「嫌悪・殺す」と言う言葉を見せたときは実に醜くゆがみました。阪神大震災のときには、人々の悲しみの言葉の波動が水道水の結晶を醜くゆがませ、復興へ向けて動き出した時には元に戻っていたそうです。さらに言葉と言うのは面白い物で、日本語の「かみ」と言う音を取ってみても、「紙、髪、噛み、神、守、上」といろいろあっても、どれも大切で大事な物に通じます。

 

今月はその言霊の霊の力を利用して「愚痴を3日言わない」「楽しい、嬉しい、優しい感謝の言葉」にそれを置き換えてみませんか? (「言霊」に宿る神秘な力;続く)

クリスタル

 

占い暦40年以上、

オーストラリア・シドニー在住の日本人カウンセラー

 

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