「迷信①」

今月から2回に分けては「迷信」についてです。迷信というのは様々な俗信のうちで社会生活に実害を及ぼす物と辞書にあります。あるいは合理性を欠いた考えという物も。でもいくら根拠のない言い伝えではあっても、日本人の文化に密着した生活の知恵袋と見るほうが楽しいですね。さらに現代医学において常識だと思われていることや、現代医学そのものの中で信じられている事にも迷信が多く含まれています。そんな迷信のうち科学的な根拠のあるようなものは「疑似科学」と呼ばれていますが、ここでは「生活密着型」の、根拠がそれなりにあるものもあり、あるいは自然に従ってしまう迷信もありですが日本に伝わる迷信を色々と書いてみたいと思います。

 

「雷鳴ったらヘソ隠せ」―雷が鳴る時は雨が多くなるので気温が下がりますね。子供は良くお腹を出して寝てしまい寝冷えから腹痛を起こす事があるため。「朝焼けは雨、夕焼けなら晴れ」-天気は西から東へと移ります。西の空にある雲は徐々にこちらに向かい雨を降らせるのです。朝焼けは東が晴れて西に雲があるときで夕焼けは全く逆。「ツバメが低く飛ぶと雨」-空気中の湿度が高くなると虫は交尾を始めようとして低い所に集まり、虫を食べようとしてツバメは低い所を飛ぶようになるのですね。「遠くの音が良く聞こえると雨」-音は空気中の湿度が高くなると伝わりやすくなる。気温が下がると相対湿度も高くなるので、より音は伝わりやすくなる。地上の気温が低ければ音は下に曲がり遠くの音まで良く聞こえるのです。「池の魚が水面でパクパクすると雨」―晴れの日が続くと酸素を含んだ雨水が池に流れ込まないので池の酸素が不足して魚は水面まで来てパクパクするというわけ。「猫が顔を洗うと雨」-晴れの日が続くと空気が乾燥するため猫は顔を洗って水気を眼や鼻に与えます。

 

生活編です。「夜爪を切ると親の死に目にあえない」-「夜爪」は「世詰め」「余詰め」につながり、世・余とは自分の人生、「世詰め」は早死にのこと。親より先に死ぬのは最大の親不幸。それをいさめたもの。「霊柩車が通る時は親指隠せ」―右の親指は父親、左の親指は母親と言われていますが、これって無意識にやっていませんか?でもモバイルいじっていたり運転していたりじゃんけんしていたり・・・こういう時はどうしましょう。「夜越しの茶は飲むな」-お茶の渋みのもとになるタンニンという化学物質は時間を置くと酸化が進み胃壁を過剰に刺激するので良くないそうです。タンニンは緑茶だけでなくほうじ茶、ウーロン茶、紅茶にも含まれるので注意が必要ですね。

 

そして・・・「北の台所は吉」-1日を通じて家の北側は明かりや温度の変化があまりないために物が腐りにくい。さらに家の北側には先祖霊が集まりやすくその祭りをするのは主婦の役目。戦国大名の正妻を「北の政所(まんどころ)」「北」「北の方」と呼んだのはこれが理由だったのですね。 来月は外国の迷信やそれにまつわるお話をしましょう。

クリスタル

 

占い暦40年以上、

オーストラリア・シドニー在住の日本人カウンセラー

 

                    more info